リフォーム事例~戸田の家

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改修後~廊下からリビング

築浅11年の中古住宅リフォーム事例です。
既存住宅は、1階が鉄筋コンクリート造の車庫、2・3階が木造ツーバーフォー工法住宅で、大手ハウスメーカーの施工による物件です。既存建物の車庫は独立しており、住宅玄関へは外部階段から2階へアプローチする構成でした。

建築場所:埼玉県戸田市
敷地面積: 79㎡
延床面積:129㎡
構造規模:RC造(1F)・木造(2・3F)

~リフォームの経緯~

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改修後~キッチン

内外の階段が急傾斜でしたし、雨に濡れないで車庫から直接玄関にアプローチしたい、とのご要望で始まったプロジェクトですが、法的・技術的には難易度が高いです。
1階天井(2階床)はコンクリート造の床版(スラブ)で完全に塞がっていますので、内部に階段を設置するためには床版を開口しなければなりません。この場合には主要構造部に変更が生じますので、その検証と新たに建築確認申請も提出しなければなりません。
幸い、既存の構造図書が残っていましたので現況調査からスタートしたのですが、その過程で現況と図面が異なっているというかなり深刻な構造上の問題が見つかりました。それが原因となって1階天井のコンクリート床版に大きなたわみが生じ、上部の木造部にも床や壁に傾斜が生じていました。

~設計のこと~

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改修後~キッチンからリビング

このような状態でリフォーム計画が成立するのかどうか?
現状の構造の問題解消と新たな計画が両立する方法でなければいけませんし、コストとの兼ね合いもありますので、優先順位を考えながら設計自体も簡素・明快な方法でまとめる必要がありました。水回りの移転を含む改修ですから住宅設備機器は全交換、電気・給排水衛生等の配線・配管も大半が交換対象となります。また、関係諸官庁や審査機関との協議も並行しながらの作業で、法的な解釈の擦り合わせも必要です。
長いトンネル?の先に、ようやく設計もまとまり、施工方法やコストについても目途が立った時の達成感はひとしおでした。

~施工のこと~

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改修後~1F玄関内と車庫を一体化

施工途中では、既存木造部がユニット工法で建築されていた関係で、一部の柱(スタッド)を残して計画を変更する場面もありましたが、これは壁の仕上げを撤去してみなければ分からない事でした。リフォームの設計や施工では、このようなところが新築と異なりますので、臨機応変な対処が求められます。
また、本件のような、たわんだ床版のジャッキアップ補正、既存構造躯体のハツリ、新設鉄筋の定着など改修独特の工程も伴うケースでは、技術や工法を良く理解した上での監理と施工ノウハウが重要になってきます。

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改修後~2Fにあった玄関を1Fへ

~リフォーム完成~

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改修後~内部階段廻り

お客様にも住宅設備機器や素材をWEBでご選定いただいたりしながら、幾多もやりとりして設計が進みました。また、施工会社さんには既存の不具合や困難な施工にも適切な対応をしていただけました。写真だけでは分かりませんが、そのようなプロセスが重なりあって、シンプルで心地よいお住いに生まれ変わりました。

~その他写真~