制振構造

当事務所では、木造住宅の場合、標準仕様として建築基準法の1.5倍の耐力壁を設けるようにしています。まずは強度と耐力のバランスを確保する耐震構造が第一の考え方です。
また、建物に強度があって変形が抑えられても室内の人や家具等には影響がありますので、振動そのものを抑えようという考え方があり、これが制震や免震構造と言われているものです。地震エネルギーが建物に入ってから抑えるのが制震、地震エネルギーが建物に入らないようにするのが免震、と考えると分かりやすいと思います。
制震・免震構造が採用できるに越したことはないのですが、工事費がネックだったところ、最近はオープンシステムでも採用できる工法が出てきましたので、当事務所でも検討しているところです。

写真はカネシンの制震工法
vrecs

建物は長く使われるものです。改修する場合など、独自の特殊工法が使われていると将来に手が加えられなくなる場合がありますので注意が必要です。その点、木造在来工法は構造技術が一般に開放されているオープンシステムであり、多くの方が関わる事ができますので(当初の施工者に限定されない)、技術やコストの観点からも維持管理が容易になります。上の参考写真は、そのような在来システムにも付加できる工法ですので、今後の普及が見込めそうです。

2014.11

蓄熱冷暖房

当方の設計事例で採用している蓄熱冷暖房システムを紹介します。
仕組みは難しくなく、電気を熱源にしたエネルギー効率の良いシステムです。

・エアコンの室外機の仕組みと同様のヒートポンプ方式で冷温水を作ります。
・基礎内部に設けた蓄熱コンクリート部に冷温水を循環させます。
・暖まった(冷えた)蓄熱コンクリートが輻射で1階の床を暖め(冷やし)ます。

Chikunetsu

世の中には様々な冷暖房設備があり、それぞれ長短がありますので、このシステムがベストというわけではありませんが、竣工後のお客様からの評判が大変良いです。

1.広い面積で床全体を暖める(冷やす)ので心地よい。
2.熱すぎたり冷えすぎたりせず、自然な温度に感じられる。
3.ファンやダクトを通さない輻射方式なので空気の汚れがない。

1.2.は床仕上げ材直下の電気式・温水式システムに比べると心地よさの体感度合いが違います。
3.は当方の設計でいつも心掛けていることですが、ダクトや基礎内部にはホコリが溜まりますので、空調や換気のために積極的に空気を循環させる方式は衛生的に宜しくありません。いずれの部分も住宅では清掃が困難なためです。

輻射方式ですから、暑さ寒さが厳しい場合は他の冷暖房装置と併用する考えで検討すると良いです。
人によって感じ方が違うでしょうけれど、関東エリアの場合は夏冬の盛期にエアコンを使う程度です。

2階建延べ30~40坪の場合、システム施工費が約120万円、ランニングはメーカー資料では普通電力8時間使用で約10,000円/月(深夜電力では4,000円/月)です。

2014.11